私が広報部に配属されたときに、最初に、関わった仕事は何だとおもいますか?
それは、記事のクリッピングです。
クリッピングっていう言葉は、あまり一般的ではないかもしれません。
新聞や雑誌の関連記事を集める作業です。
新聞の場合は、切り抜いて、台紙に貼り付けます。
雑誌の場合は、切り抜くのが大変なので、付箋でしるしをつけて置きます。
時には、テレビのニュースをビデオに記録することもあります。
なんだ、そんなこと!と思うかもしれません。
でも、この「クリッピングという作業は、実は広報部としては非常に重要な業務なんです。
というのも、新聞や雑誌にどんな記事が載っているかをチェックして、自分の会社のことや製品のことがどんな風に書かれているかを調べるんですが、その記事の内容如何で、全社をあげての騒ぎになることもあるからです。
特にスクープ記事があると、その対応だけで、1日どころか暫く影響を受けてしまうことがあります。 まず、クリッピングの流れをご紹介します。
新聞の場合と雑誌の場合でちょっと対応が違います。
まずは新聞から。 私の出社時間は大体毎朝7時50分ぐらいでした。
早出に慣れている方には、大した早出じゃないんですが、まだ、学生気分の多分に残っていた私には、「こんなに早く出社するなんて、しんどいなー」という時間でした。
まず、全社の新聞をまとめて配布している、郵便室に行って、新聞を受け取ることから始まります。
まだ、シャキッとしていないので、「(ボソボソと)オハヨーございます・・・。」という感じです。
新聞を箱からまとめて抜き取っていくんですが、大体どれぐらいの新聞を取っていたと思いますか?
全国紙、ブロック紙、スポーツ紙、専門紙ときて、これに業界紙が加わって、毎日20数紙ありました。
実際は、英字紙もあったので、30紙ぐらいになったと思います。
今は、IRも大事な広報活動なので金融系の新聞が増えているかもしれません。
また、通信社のファックスも重要なのですが、こちらは1日中流れているので時々ファックスをチェックしていました。
通信社というのは、あまりなじみが無いかもしれないのでちょっとご説明しておきます。
日本には、共同通信社と時事通信社の2つの通信社があります。業務の内容は、新聞やテレビなどで報道するのニュースの元の情報を供給する会社です。
よく、記事の見出しの後に、カッコ書きで、【ロイター・共同】という風に書いてあるのを見たことが無いでしょうか。
これは、ロイターが取材し、共同を経由して入手して書いた記事、という意味です。
新聞記事は、すべてを自分の社で取材して書いている訳ではありません。記者を派遣していない地域の記事も掲載する必要があります。
特に最近、毎日のように大リーグと欧州サッカーの記事が掲載されていますが、これなどは、最後の方に、【共同】なんてはいっているのを見ます。
また、地方紙はかなりの記事を通信社の取材をベースして書いています。
というわけで、通信社は報道の世界の縁の下の力持ちなんです。
ちょっと、話しがそれましたので元に戻します。
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